Uncolored Andalusian Guitars®

 ”スペイン由来であってかつ前衛的なフラメンコギターを製作すること” を理念に掲げ、新時代のプレイヤーのために全く新しい形のフラメンコギターを考案、製作し続けているアンダルシアンギターとはいったいどんな所なのでしょうか。

 アンダルシアンギターは、2000年に創業を開始した比較的新しいギターブランドです。製作には、非公開のワークショップ(小規模工房)方式を取り入れており、少数精鋭の職人達がチームとして1本1本丁寧に仕上げております。アンダルシアンギターを1本製作するにかかる日数は、おおよそ50日~60日程度、約2ヵ月の期間が必要となります。したがいまして、年間に製作できるギターの本数にも限りがあり、いわゆる工場生産品とは一線を画す存在であることは間違いありません。

 ワークショップの場所は、アフリカ大陸の北西沿岸に近い大西洋上にあるスペイン領の群島、カナリア諸島です。具体的な場所については、非公開形式を敷いており在籍する職人についてもコンフィデンシャルとなっております。経営陣や相当親密な関係者以外は、この場所を知ることもできないし訪れることもできません。

 余談ですが、カナリア諸島には、Timple(ティンプレ)と呼ばれるナイロン弦を張ったウクレレのような小さな形状の5弦の民族的な弦楽器が古くから伝わっています。アンダルシアンギターにも少なからずこのティンプレイの影響はあるように思われます。

 また、アンダルシアンギターの運営母体は、スペインのマラガにあります。ここでは、フラメンコギター教師であり一部経営にも携わっているRuben Diaz(ルーベン・ディアス)が中心となり主にYoutubeを主体としてマーケティングを展開しています。経営陣については明らかにされていませんが、一人の個人という噂もありますし、複数の富裕なギター愛好家によって経営されているとも言われています。

 このように公開できる情報に多少制限があるアンダルシアンギターですが、これは広範囲の販売展開により、模倣やチープで粗悪なギターが出回ることを嫌った1つのアイデアだと思っています。遠く離れた日本なら、なおさら伝わりにくい側面があると思いますが、このようなミステリアスなところがアンダルシアンギターの魅力の1つであって、どうしてこんなに奇抜で前衛的なデザインのフラメンコギターを次々と製作できるのだろう、と多くの芸術家を輩出してきたスペインの芸術的な側面に思いを馳せることができます。そして、モダンで前衛的なハイスペックのフラメンコギターが生み出されていくことに驚かされることでしょう。

 常にアンテナを伸ばし、自由な気持ちと発想を大事に過ごしていれば、アンダルシアンギターの心を理解することができると信じております。違うことを受け入れていきながら新しい成長をしていくといった、今まで以上に多様性が求められるこれからの時代に非常にフィットしているのがアンダルシアンギターであって、自分の個性を理解し、大切にする人にこそ響くギターブランドだと思っております。